執行委員長 堀部忠次
新玉の年の年頭にあたり新春のお慶びを申し上げます。
2013年の干支は癸巳(みずのとみ)ですが、一般的には、十二支の巳(み)年と呼んでいます。「巳」の字は、胎児の形をあらわす象形文字ですが、「蛇が冬眠から目覚めて地上にはい出す姿をあらわしている」とも言われ、「起こる・始まる・定まる」などの意味を持ちます。「新たに行なう事」から、どこかの国の大統領のスローガンの「チェンジ」に通じるのではないでしょうか。本年も、私たちは、生活の安定・建設労働者の賃金向上と雇用の確保・若年者の建設業への入職支援・中小事業者の営業立て直し・消費税増税の撤回・福祉の再生などを願い、その実現を目指して参ります。
『首都圏建設アスベスト訴訟』では、昨年12月5日に、国の責任を認め、原告勝訴とした画期的な判決が出されました。メーカーの責任を否定するなど不十分な点のある判決ではありませんでしたが、この訴訟に続いて全国各地で提訴されている同様の訴訟にとって「貴重な一歩」を示せたのではないでしょうか。『建設アスベスト訴訟』について、私たちは、被害者側に立った公正な判決が出されるよう求める署名活動などで法廷外からの支援を続けてまいりました。
その中で、9月13日開会の港区議会第3回定例会に「建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図るよう国に働きかける意見書の提出を求める請願」を支部独自で提出しました。9月20日の区民文教委員会では、私たちの趣旨説明と共に審議が行われ、全会一致で採択され、10月5日の本会議では、区議会全会派議員皆様の賛同を得て、23区議会で2番目に早く意見書が採択されました。皆様のご協力に感謝します。これも原告団への一つの応援になった事と思います。
私たちは、長引く不況とデフレの中で生活を圧迫されながらも仕事に励んでおります。今、生活保護件数が200万を超える中で、生活保護より低い収入でも家族を養い、頑張っている多くの仲間もいます。それでも仕事に打ち込んでいられるのは、仕事・技術・技能に誇りを持ち、それ一筋に励んできたからです。
しかし、これから先の見通しが立たない現在、先行きの不安が増すばかりです。このような苦境の中でも、私たちは、「港支部1500人」を早期に実現させ、東京の建設労働者の過半数組織をめざし、組織拡大に奮闘しています。
一人一人の力は小さいですが、毛利元就の故事「三本の矢」の様に、組合員の力を結集して強固な力として、私達の仕事とくらしを守るたたかいに邁進(まいしん)してまいります。皆様の日頃のご支援・ご協力に感謝申し上げまして、年頭のご挨拶と致します。
共に頑張りましょう。
【石井正副執行委員長・財政部長】
私の今年の抱負は、「稼ぐ」ことです。学校に通っている子ども2人を抱え、一人で町場の電気工事業を営んでおります。
国の経済のことなど、自分一人ではなんともならないことが沢山ありますが、「家族の生活は、俺の仕事の頑張りにかかっている」との思いで、自分で切り開けることは自分なりに頑張っています。町会の後継者の育成をめざす若手との交流や組合仲間を増やし、仲間とともに仕事をつくり、仕事とくらしを守り発展させる東京土建の活動によりいっそう頑張りたいと思います。
より充実した仕事をするためにも、今まで以上に「小さな仕事」も断らず、客先に顔を出すことを大切にして、仕事に頑張っていきたいと思います。
また、若手組合員とご家族が、組合行事に参加してくれるような企画を積極的に取り組んでいきたいと思います。
【城所勇副執行委員長・社会保障対策部長】
昨年は、税と社会保障の一体改革と称して、消費税の増税法案が先行して成立してしまいました。社会保障の財源としての消費税増税と説明されていますが、社会保障に使われる保障はありません。消費税が導入されたときから、国民をだましやすいとして、「社会保障の財源」が消費税導入の、その後の税率の引上げの際の言い訳にされてきました。消費税の引上げではなく、応能負担の原則による税負担での社会保障の充実を求めていきましょう。また、アメリカを中心とするTPPへの参加は、日本の優れた「皆保険制度」が、アメリカンスタンダードに変更されて、「いのちの沙汰も金次第」になりかねません。
東京土建国保の補助金については、都知事が変わり、政権が変わった関係で、来年度の補助金の確定はされていませんが、現行水準を維持できるものと考えています。仲間のいのちと健康を守る制度として、引き続き安定運営をめざし、奮闘していくことを決意しています。学習活動や署名行動、はがき要請行動など、組合員・家族の皆さんのご協力をお願い致します。
【小宮文雄副執行委員長・組織部長】
昨年一年を通じての大きな目標でした「昨年一月一日の支部組合員現勢を、なんとしても今年一月一日には回復する」ことにつきましては、皆様の多大なご支援で達成することが出来ました。ここ数年減り続けていました支部組合員数を増加に転じることができ、本当にありがとうございました。
今年は、昨年地域分会が「みなと分会」のひとつに統合されてからその成果を発揮できる最初の年です。みなと分会の一員として分会の発展に少しでも貢献できればと考えています。
また、地域内事業所の数が他支部に比べて断トツであるという港支部の特色と、昨年より懸案となっている事業所における社会保険未加入問題への取り組みを好機として、事業所の組合員拡大への糸口を何としても掴んでいきたいと思っています。この問題は一朝一夕で解決できる話ではありませんが、事業所分会の体制整備の問題とともに最優先課題と捉え、皆様のご協力もいただきながら、少しでも前進できるよう、取り組んでまいります。
【園部滋書記長】
昨年7月に港区内を4つの地域に分けて運営していた地域分会をひとつにまとめ、「みなと分会」に編成した組織運営に対して大きく危惧していました。
しかし、半年経った今、充分ではなくとも、それなりの機能を果たしていることに安堵しています。それもこれも、みなと分会に所属している組合員の協力と分会役員の努力の賜物によるものです。
港支部は小さな支部ですが、大支部に劣らない人材と力量があり、今後の支部発展に港支部発展に大きな力を発揮されることを確信しています。
国政では、政権が変わりましたが、原発問題や消費税問題など、国民のいのちと暮らし、仕事と生活に直結する課題が山積しています。こういう時こそ、小さな支部ではあっても、仲間の結束力を遺憾なく発揮し、新しい年に、仕事確保や賃金・労働条件の向上めざす仲間の要求実現に向かって邁進していきましょう。
また、仲間を増やす拡大運動でも、港支部が活動地域としている港区、千代田区、中央区には、東京土建の対象となる中小建設企業とそこに就労する職人・労働者が多数います。年明け早々から年度内までの「春一番拡大」、年度始めの「春の拡大月間」、「秋の拡大月間」と、一年間を通しての仲間を増やす運動がひかえています。
東京土建は、個人加入の建設労働組合です。毎年新しい仲間を迎え続けることで、組織を大きくし、仲間が要求する様々な制度や政策を実現させるとともに、仲間のいのちと健康を守る諸制度を確立させてきました。長引く不況、デフレスパイラルの中で、厳しいたたかいとなりますが、「数は力」です。仲間を増やし、東京土建を大きくするなかで、私たちのいのちと暮らし、生活を守る諸制度を勝ち取ることができます。
目標に向かって、ともに奮闘しましょう。今年も一年、よろしくお願いします。
【近藤直樹常任執行委員・労働対策部長】
昨年の活動の中心は、首都圏建設アスベスト訴訟での勝利判決と現場での安全の向上をめざしました。アスベスト訴訟では、多くの仲間の奮闘もあり、昨年12月5日に東京地裁で、国の責任を明確に認めた勝利判決を得ることができました。原告はもちろん、これからも出てくるだろうアスベスト被害者にとって、大きな一歩となりました。しかし、一人親方が認定されなかった問題と建材メーカーの責任を免罪したことなど、不十分なところのある判決でもあります。
現場で就労するすべての職人・親方の認定とメーカー責任を求めて、すべての原告が東京高裁に控訴しました。引き続き、支援していきましょう。
また、建設現場での事故が2年連続で増加しています。安全対策と安全ルールの徹底などで、作業しやすい現場環境の確立が求められています。現場での事故の減少をめざし、ともに頑張りましょう。
【戸田義生常任執行委員・厚生文化部長】
新年おめでとうございます。
昨年はみなさまの御尽力で、どけん火災共済・自動車共済ともに目標を達成できました。心から御礼を申し上げます。今年も、松飾りがとれれば、すぐに共済推進月間が始まりますので、一層のご協力をよろしくお願いします。
寒さもこれからが本番。お互い健康管理。火事には注意しましょう。
最後に一言。「昨年は目標達成したけれど、いつも加入者は少ねぇー 少ねぇー スネーク」。今年は巳年。しつこく共済推進活動に取り組みましょう。
【清水弘之常任執行委員・仕事対策部長】
私たち夫婦の故郷は、いま「日本で一番遠い所」にあります。今年は何としても2年ぶりの帰省を果たしたい。妻の実家はいま、立ち入りが規制されている福島県浪江町です。
家の造りは、どこにでもある典型的な農家の家で南側に長くとった縁側があり、その先には大きな桜があり春には自身の家の庭で花見が出来る自慢の庭でした。家の前には田に導く小川があり、妻が幼い頃、水遊びをした小川で私達の子供も遊び、かけがえのない思い出をたくさん作ってくれた故郷は、目には見えない大きな悪魔にとらわれたままになってしまいました。
都市育ちの私は、あの縁側に横になって、庭の木々の先にある山々を、黙って見ているのが大好きでした。近所の人も、ちりぢりとなり、皆慣れない場所で肩身を狭くして暮らしています。
国も部分的には除染を始めましたが、あの広大な林や山は多分、手付かずのままになる事でしょう。私達の滞在時間2時間で防護服を着ての帰省を、国はどう考えているのでしょうか?
【出井章史常任執行委員・教育宣伝部長】
新年のお慶びを申し上げます。昨年は教育宣伝部と技術対策委員会の二部門をおまかせ頂き、本部機関紙「けんせつ」への寄稿・宣伝や各種資格取得支援などのお手伝いをさせて頂きました。
港支部は全支部の中でも特に大きな役割を持つ事業所分会と、元気で結束力の強い地域の皆さんの分会との2本柱を持ち、次世代のモデルケースとなる組織体で現在進行しています。昨今の「とにかく目立つ事を良しとする」風潮にせず、議論を重ね、時の転換期に迷う事無く皆さんと共に進みたい…。そんな執行部を目指し、気持ちも新たに新年を迎えたいと思います。
むずかしい舵取りとなりますが日頃の皆さんとの強い絆が羅針盤がわりになり、きっと荒波の中を良い方向へ導いてくれる事と願います。
本年もひとつ元気に賑やかにまいりましょう。なんたって港はお江戸の中心ですから!年男として縁の下でがんばります。本年もよろしくお願致します。
【林靖久常任執行委員・後継者対策部長】
私の仕事は経師屋です。表装・壁装の仕事をしています。1級技能士を取得し、仕事を始めてから今年で25年になります。
昨年、後継者対策部長を任されました。私自身が初めて常任執行委員として組合の活動に携わり、その活動の必要性を実感することになった年でした。
ご協力して下さいました組合員の皆さま ありがとうございました。
組合員としても まだまだ勉強の毎日です。至らぬ点だらけであると思いますが、若手・子育て世代、そして港支部を盛り上げるために頑張ってまいりますので、ご支援をよろしくお願い致します。
【山本邦彦常任執行委員・税金対策部長】
2013年明けましておめでとうございます。昨年も消費税増税等の生活破壊に反対する取り組みに奮闘いただきありがとうございました。今年も増税「実施」を許さない取り組みや、国税通則法「改正」による当局の動きを厳しく監視する取り組みを強化します。
仲間のいのちと暮らしを守る要求実現のために、消費税増税反対、庶民増税反対、共に頑張りましょう。
【横山清忠常任執行委員・賃金対策部長】
今年は、何としても公契約条例制定の足がかりを、港区で作りたいと思います。また、野丁場で働く職長と職人の組織となる支部PALを拡大・強化し、現場の仲間の声を集めて、春と秋の大手企業交渉に役立てるとともに、現場での労働条件や労働環境の改善に役立てる組織へ発展させていきたいと思っています。
そして、今年こそ仕事が増え、賃金が上がることを祈念します。