新玉の年のはじめにあたり、ご挨拶申し上げます。
組合員とご家族の皆さまには、日頃より、東京土建港支部の活動に一方ならぬご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。
昨年は、東京土建の38支部の中では港支部が担当しております伊豆大島(大島町)において、10月16日未明に、台風26号の豪雨による大規模土砂災害が発生し、多くの方々が亡くなり、家を失うなどした人たちが東京都教職員住宅や知人宅などで避難生活を続けています。発災から2ヶ月となる12月16日には、46戸分の仮設住宅の集会所の建設工事が始まり、今月下旬には完成の予定と聞いております。あらためまして、亡くなられた方々のご冥福と、被災された方々にお見舞い申し上げます。
東日本大震災においては、「建設業者が真っ先に道路を切り開き、橋を修理し、自衛隊や消防・警察が入る道を確保した」と言われ、建設業の重要性が再認識されました。大島町の災害においても、港支部組合員を含む地元建設業者が、発災直後から、自らの重機を用い、行方不明者捜索と復旧にあたりました。
しかし、バブル崩壊後の仕事の激減、「小泉構造改革」以降の公共工事の縮小に伴う「ダンピング受注」の激化等により賃金・単価が低下した結果、若者の建設業離れが進む(若年入職者の大幅減)とともに、特に地方で建設業者が激減、最盛期には680万人とも言われた建設業就労者数は500万人前後にまで落ち込み、近い将来、建設業従事者による災害対応にまで支障を来たすだろうとも言われております。
このような事態に対応すべく、一昨年には、建設業に若年者を迎えるための「社会保険未加入対策」が打ち出され、昨年には、公共工事設計労務単価の引き上げが行われるなど、この間、国・業界・建設労働組合が一丸となって、賃金・単価引き上げに向けた動きを進めているところでありますが、技術・技能に誇りを持ち、仕事の品質の向上に努めるだけでなく、災害対応等の社会貢献にも備えるべき私たちの暮らしを支えるだけの賃金・単価に届いていないのが現状です。また、今年4月からの消費税率引き上げによる仕事量の落ち込みも予想され、生活への不安を持たざるをえません。
十二支の「午」は本来、「両頭の杵(きね)」の形をした呪具(じゅぐ)をかたどった文字(象形文字)で「邪悪を防ぎ、邪悪から守る」の意味を持つそうですが、東京土建港支部は本年も、建設産業で働く人の賃金・単価の向上・就労の確保・生活の安定・中小業者の営業支援・公正な税制の実現・社会保障の拡充などを願い、仲間の仕事とくらしを守る運動を進めてまいります。
引き続いての皆様からのご支援、ご協力をお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。