東京土建一般労働組合 港支部
執行委員長 出井 章史
初春を迎え港支部の皆さまにはご健勝の事とお慶び申し上げます。
昨年の干支は卯の年でしたが、まるでうさぎのごとく目を赤くせざるをえないニュースばかりの一年となりました。その中で一年遅れでやってきた寅ならぬ虎が38年ぶりの総合優勝となった事はファンの方のみならず未来を明るくする話題となりました。それ以前の同じ場面といえば1985年にプラザ合意があった年でもあり、まさに日本がバブル経済へと進む入口でもありました。近年の港区界隈はバブル再び、とはまいりませんが株価も当時の数字を彷彿させ、通りを派手な高級車が往来し、大型の再開発現場が連なる風景は当時二十歳であった私が見ていた絵と重なります。ただ違和感を覚えるのはそこに時代の青年期に感じる希望というか高揚感が見受けられません。少子高齢化という国難ともいえる節目を迎えながらも、より高く、より大きくの建造物が建設されている状況です。
崩壊という大きな挫折から再びスタートし38年という歳月を経て、街も建物も壮年期に入り、人間と同様にメンテナンスが必要となります。安心・安定した成熟期を迎えるためにもかつての経験を振り返り、時には修復して残して行く方法も模索すべきかと考えます。その為にも卓越した建設技術の継承はより重要な課題となっています。
年の始めにあたり私共も先達からの磨かれた技法と心意気を受け継ぎ、この地で皆様と益々建設業を盛り上げて行く所存です。
末筆ながら、年始に発災した能登半島地震で、お亡くなりになった方々へのご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々にもお見舞い申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。